父母共有名義の実家が資産凍結の危機に。父母同時に認知症対策を実現した家族信託の事例

事例の概要

◆利用サービス

家族信託組成コンサルティングサービス プランB(自宅)※

◆家族構成

父(87歳)=東京都中野区在住 ★委託者兼受益者★

母(85歳)=東京都中野区在住 ★委託者兼受益者★  

長男(50歳)=東京都練馬区在住 ★受託者★

◆信託財産

(不動産)
自宅の土地・建物(東京都中野区・築45年・45坪)※父母共有

(金銭)
金800万円(父)
金200万円(母

◆解決までの期間

3ヶ月

◆相談者

長男(斉藤和夫様・仮名)

※「家族信託組成コンサルティングサービス(プランB・自宅)」とは、自宅不動産の管理・処分権限の移行を主軸とし、信託スキーム設計から契約書作成、公証役場や信託口口座開設の調整、および信託登記の手配を一括して代行するサービスです。認知症による「実家凍結(売却不可)」リスクを回避できるため、将来の介護施設入居費用に充てるための売却や、管理費用の支払いを円滑にし「いざという時に自宅をスムーズに売却できるようにしたい」という方に最適です。

ご両親の施設入所に伴い、空き家となる「父母共有名義」のご実家。どちらか一方でも判断能力が低下すれば売却ができななるというリスクに対し、事前の収支シミュレーションで費用対効果を明確化。ご両親同時の対策でトータルコストを抑えつつ、円滑な不動産売却体制を整えた事例です。

1. ご依頼の背景~実家は共有名義。コストへの不安と「資産凍結」リスクの狭間で~

予期せぬ事態。ご両親が同時に施設へ

「先日、母が自宅で転んで大腿骨を骨折してしまいまして…。入院先からそのまま施設へ入ることになりそうなんです」

ご長男である斉藤様からのお問い合わせは、予期せぬトラブルが重なり、精神的に追い詰められた切実な状況から始まりました。 お母様は骨折によりご自宅へ戻ることが困難になり、急遽、施設への入所が決定。一方、同居されていたお父様も脳梗塞の後遺症で足元がおぼつかず、お一人での在宅生活は到底成り立ちません。 斉藤様は、ご両親それぞれの病状に合わせ、別々の介護施設を同時に探さなければならないという、非常にハードな局面に立たされていました。

実家が共有名義

斉藤様が直面していた最大の問題は、資金源となるはずのご実家が「お父様とお母様の共有名義」であるという点でした。 誰も住まなくなるご実家は売却(実家じまい)し、その売却代金をこれから倍増するご両親の施設費用や医療費に充てる。それが斉藤様の立てた資金計画でした。

しかし、不動産が共有名義の場合、売却の手続きには名義人である「夫婦双方」の明確な意思確認と実印が必要です。 もし、急激な環境の変化や入院生活の影響で、ご両親のどちらか一方でも認知機能が低下し、法的な判断能力を喪失してしまったらどうなるか。その瞬間、たとえもう片方の親御様が元気であっても、実家全体の売却手続きはストップしてしまいます。 そうなれば、家庭裁判所を通して成年後見人を選任しない限り、資産は事実上の「凍結」状態となり、当初の資金計画は完全に白紙に戻ってしまいます。

「手遅れになる前に」焦燥感の中でのご連絡

「実家が売れなくなる事態だけは絶対に避けたい。しかし、これから毎月の施設費用が重くのしかかる中で、専門家に頼むためのまとまった初期費用を今、支払っても大丈夫なのだろうか…」

斉藤様は当初、家族信託の導入コストに対して、非常に強い懸念と迷いをお持ちでした。 将来のリスクを回避するためにコストをかけるべきか、それともリスクを承知で今の出費を抑えるべきか。平日はお仕事で忙しく、誰にも相談できないまま一人で悩み続けていた斉藤様。 「もう自分たちだけでは判断できない、一刻も早く専門家の意見が聞きたい」――そんな切羽詰まった思いで、土日祝日も対応している当法人へお問い合わせくださいました。

2. 解決までの道のり / ミラシアだからできたこと

ステップ1:机上の空論ではない「手残り金額」の試算と、コストを抑える提案

平日はお仕事でお忙しい斉藤様のため、私たちは土曜日に面談の時間を設け、じっくりとお話を伺いました。 斉藤様が最後まで導入を迷われていた最大の要因は、やはり「家族信託にかかる初期費用」です。そこで私たちは、いきなり法律や契約の話をするのではなく、まず斉藤様の「お金の不安」を可視化することから始めました。

まず行ったのは、安心材料となる「手残り金額」の徹底的なシミュレーションです。 提携不動産会社と協力してご実家の現在の価値を査定し、「いくらで売れて、税金や仲介手数料、そして信託の初期費用を引いた後、最終的にいくら手元に残るのか」を具体的な数字として算出しました。

さらに今回は、お父様とお母様それぞれの財産管理が必要なケースでした。通常であれば2件分の契約費用がかかりますが、別々ではなく同時に手続きを進めることでトータルコストを圧縮できるプランをご提案しました。

「なるほど、これだけの手残りがあれば、両親の施設費用は十分に賄えますね。コストをかけてでも、確実に売れる状態にしておく『必要経費』や『保険料』だと考えれば、むしろ合理的です」

漠然とした不安が明確な「数字」に変わったことで、斉藤様の表情が和らぎ、前向きな決断をされました。

ステップ2:医療連携・信託実務に強い「専門家ネットワーク」による生活面のサポート

費用の問題がクリアになっても、斉藤様にはまだ実務的なハードルが残っていました。法的な手続きと並行して、ご両親それぞれの施設探しや、将来的な実家売却の依頼先選定にも追われていたのです。 「仕事もある中で、これ以上自分で動くのは限界だ…」 そんな斉藤様の負担をゼロにするため、私たちが日頃から連携している専門家ネットワークをフル活用しました。

一つ目は、医療・介護に強い「老人ホーム紹介センター」との連携です。 単に空き室がある施設リストを渡すのではありません。お母様の「骨折後のリハビリ体制」や、お父様の「脳梗塞後遺症への医療対応」など、ご両親それぞれの身体状況を詳細に伝達し、受け入れ体制が整った施設をスピーディーに選定・提案しました。

二つ目は、信託不動産の扱いに長けた「不動産会社」の選定です。 実は、家族信託の契約が入った不動産の売買(信託登記物件の売買)は、一般的な不動産会社では対応が難しいケースが多々あります。買主様への複雑な権利関係の説明がうまくいかなかったり、銀行融資の審査で躓いたりして、売却が長期化するリスクがあるためです。 今回は「信託物件の売買実績が豊富」で、銀行や買主様への説明ノウハウを持つ会社をご紹介しました。

これにより、斉藤様は複数の業者とやり取りする手間から解放され、将来の売却時における法的なトラブルリスクも事前に排除することができました。

ステップ3:900件超の組成実績を活かした「父母同時契約」の実現

この案件における最大の難関は、別々の場所にいらっしゃるご両親と、いかに安全かつ迅速に契約を結ぶかでした。 別々の日に契約を行えば、そのタイムラグの間にどちらかの体調が急変するリスクもゼロではありません。ご高齢のご両親にとって、契約手続きは体力的な負担も大きいため、一度で終わらせるのがベストです。

ここで活かされたのが、900件を超える家族信託の組成実績で培ってきた当法人の調整力です。

私たちは、まずお母様が入所される施設側の協力を取り付け、契約当日はそこにお父様にもお越しいただく手はずを整えました。さらに、契約の要となる公証人にも事情を説明し、役場から同施設への「出張」を依頼しました。

理的に離れていたご両親、斉藤様、そして私たち専門家が一堂に会する場をセッティングし、父母両方の信託契約をわずか1日で同時に完結させました。 ご両親の負担を最小限に抑えつつ、法的な効力を確実に発生させる体制構築は、経験豊富なミラシアだからこそ実現できたスピード解決でした。

3. サポートの結果とお客様の声

今回のサポートにより、最大の懸案事項であった「実家の資産凍結リスク」は完全に解消されました。 ご両親のどちらか一方、あるいは両方の判断能力が将来的に低下したとしても、成年後見制度のような複雑な家庭裁判所の手続きを経ることなく、受託者である斉藤様の判断だけで、適切なタイミングで実家を売却できる法的な体制が整いました

また、法的な安心だけではありません。日々の管理負担の軽減も実現しました。 これまでご両親それぞれの複数の銀行口座に分散していた預貯金を、管理しやすい信託専用の口座に集約。これにより、毎月発生する2人分の施設費用や医療費の支払い管理が一本化され、通帳や印鑑を管理したり、複数の銀行窓口を回ったりする煩雑な事務作業から解放されました。斉藤様は、ご自身の生活やお仕事を守りながら、無理なくご両親の財産管理を行えるようになりました

すべての手続きを無事に終え、肩の荷を下ろされた斉藤様より、以下の温かいメッセージを頂戴しました。

斉藤様からのメッセージ

「正直に申し上げますと、最初は費用のことが頭から離れず、相談してからも依頼するかどうか二の足を踏んでいました。しかし、先生方が単なる営業トークではなく、事前に『手残りはいくらになるか』『トータルコストはどうなるか』という具体的な収支シミュレーションとその根拠を数字で示してくれたおかげで、これなら大丈夫だと納得して、安心して任せることができました。

何より助かったのは、ミラシアさんの現場での調整力です。 両親が別々の場所にいて、しかも実家は共有名義という非常にややこしい状況でした。それを、私たちが動き回るのではなく、先生方が施設側への根回しや公証人の出張手配まで全て段取りしてくださり、父と母の契約を同日・わずか1日で完結させてくれました。高齢の両親の体調を考えると、何度も契約の場を設けるのは難しかったので、本当にありがたかったです。

私一人では、平日の仕事の合間にこれだけの関係者をまとめて調整するのは絶対に無理だったと思います。 これで『実家が売れなくなるかもしれない』という長年の不安からようやく解放されました。おかげさまで、これからは資金繰りの心配をすることなく、心置きなく両親のケアや面会に時間を割くことができます」

4. 担当司法書士から

共有名義の不動産は、ご夫婦のどちらか一方でも認知症などで意思表示ができなくなれば、その時点で売却自体ができなくなってしまう――いわゆる「資産凍結」という非常に大きなリスクを孕んでいます。 斉藤様もそのリスクの大きさは頭では理解されていましたが、やはり「費用対効果」が明確に見えない中で、決して安くはない初期費用を支払う決断をするのは、誰にとっても勇気がいることです。

だからこそ私たちは、単に「法律の手続き」を説明するだけの代行屋ではありたくないと考えています。 今回のように、事前の査定を行って「最終的に手元にいくらお金が残るのか」を可視化したり、ご両親の手続きを同時に行うことでスケールメリットを出してコストを抑えたりと、「経済的なメリット」も含めたトータルな解決策を提示することを何より大切にしています。斉藤様が対策へ踏み出せたのも、その「納得感」があったからこそだと思います。

また、今回のようにご両親が離れて暮らしているケースでは、当事者間のスケジュール調整や移動手段の確保など、法律知識以外の「現場の調整力」が問われます。 当法人には、900件を超える家族信託の組成実績があり、そこから培った豊富なノウハウがあります。ご家族ごとの状況に合わせて、施設への出張手配や関係者間の複雑な調整を柔軟に行える点は、私たちの大きな強みです。

「実家が共有名義である」「親が別々の場所にいて話がまとまらない」「費用に見合う効果があるか心配」。 そのような複雑なご事情や不安をお持ちの方こそ、ぜひ一度私たちにご相談ください。ご家族にとって精神的にも経済的にも、最も負担の少ない「最善の道筋」をご提案させていただきます。

画像 画像
画像 画像
  1. 専門家(国家資格者)による専任担当制
    経験豊富な専門家が専任担当として、業務完了までサポートいたします。
  2. 相続・遺言・家族信託 専門
    当法人は相続・遺言・家族信託専門の事務所です。お客様に最適な解決策をご提案いたします。
  3. 豊富な相談実績・ノウハウ
    1,000件を超える豊富な相談実績から蓄積されたノウハウで高難度な案件にも対応が可能です。
  4. 土日祝祭日や夜間(22時まで)の相談、出張相談も可能
    お仕事などでお忙しい方でも安心して相談頂けます。
  5. スピード対応
    お急ぎのお手続きでもスピーディー・丁寧に対応いたします。
  6. 全国対応
    関東圏に限らず日本全国の案件に対応可能です。

コメント

家族信託の取扱実績全927件※!司法書士法人ミラシア
※集計期間:2017年1月〜2025年12月