銀行の高額提案を見直し、ミラシアが貸ビルだけの家族信託を提案した事例

事例の概要

◆利用サービス

「家族信託組成コンサルティングサービス(プランB・自宅)」

◆家族構成

 

 

 

母(84歳)=東京都世田谷区在住  ★委託者★

長女(58歳)=千葉県市川市在住  ★受託者★

長男(51歳)=神奈川県横浜市在住 

◆信託財産

(不動産)
東京都渋谷区の貸ビル
(金銭)
3,000万円

◆解決までの期間

3ヶ月

◆相談者

米倉千里様(仮名)

※「家族信託組成コンサルティングサービス(プランC・収益物件)」とは、収益不動産の管理・処分権限をご家族へ移転することを目的に、信託スキーム設計から契約書作成、公証役場や信託口口座開設の調整、および信託登記手続を一括して代行するサービスです。認知症による「経営凍結」リスクを回避できるため、信託口口座での家賃管理や賃貸借契約、大規模修繕・建替え・売却を行う権限をご家族へ託し、「不動産経営を停滞させず、円滑に資産承継したい」という方に最適です。

東京都世田谷区にお住まいのお母様(84歳)が所有する渋谷区の貸ビルについて、長女の米倉千里様(仮名)からご相談をいただきました。

お母様は現在はお元気ですが、心臓に持病があり通院を続けておられました。ご家族が心配されていたのは、ご自宅ではなく、管理会社との連絡やテナント対応、契約更新などが日常的に発生する貸ビルの管理です。

前年にはテナントとのトラブルが裁判に発展したこともあり、所有者であるお母様の判断能力が低下した場合、賃貸経営に支障が出るおそれがありました。銀行から家族信託の提案を受けたものの、土地・建物の両方を対象にした見積りは高額で、本当にそこまで必要なのか疑問を感じておられました。

そこで税理士の紹介でミラシアにご相談いただき、必要な財産に絞った家族信託をご提案し、約4カ月で組成まで完了しました

1. ご依頼の背景~貸ビルの管理を止めないために考えた家族信託~

今回のご相談の出発点は、「お母様にもしものことがあったとき、貸ビルの管理が止まってしまわないか」というご家族の不安でした。

お母様は、東京都世田谷区のご自宅と、東京都渋谷区の貸ビルを所有されていました。ご自宅については、今後売却する予定はなく、これからも住み続ける方針がはっきりしていました。これに対して貸ビルは、ただ持っているだけの財産ではありません。管理会社とのやり取り、テナントとの契約や更新、修繕の判断、賃料に関する対応など、日々さまざまな判断が必要になります

しかも、前年にはテナントとのトラブルが裁判にまで発展していました。ご家族としても、貸ビルの管理には思っていた以上に迅速な判断と対応が必要だと感じておられました。そのため、お母様の判断能力が低下した場合に、賃貸経営そのものが滞ってしまうのではないかという不安が大きくなっていました。

お母様は現在はしっかりご自身の意思を示すことができる状態でしたが、心臓に持病があり、通院も続いていました。今すぐ何か困っているわけではないものの、元気なうちに将来の備えをしておきたいというのがご家族のお考えでした。

そのような中、銀行から貸ビルについて家族信託の提案を受け、銀行提携の専門家から見積書も示されたそうです。ただ、その内容は土地と建物の両方を家族信託の対象とする前提で、土地の評価額も高かったため、費用は想像以上に大きなものでした。家族信託の必要性は感じながらも、「本当にそこまで広く信託する必要があるのか」という疑問が残り、顧問税理士に相談された結果、ミラシアをご紹介いただきました。

ご相談時にご家族が求めていたのは、家族信託を大きく組むことではなく、本当に必要な範囲だけを、納得できる形で備えたいということでした。ミラシアでは、そのお気持ちを前提に、まずは財産ごとの役割と、将来どのような対応が必要になるのかを一つずつ整理するところから始めました。

2.解決までの道のり / ミラシアだからできたこと

ステップ1 何を家族信託するべきかを整理する

家族信託では、最初に「どの財産を対象にするか」をきちんと考えることが大切です。家族信託はとても有効な制度ですが、すべての財産をまとめて信託すればよいというものではありません。財産の種類や使い方、今後の予定、ご家族の状況によって、必要な範囲は変わります。

今回、ミラシアではまず、お母様の財産を「自宅」「貸ビル」「金銭」に分けて確認しました。そして、それぞれについて、将来どのような管理や判断が必要になるのかを整理しました。

その結果、ご自宅については、今後売却する予定がなく、お母様の住まいとしてそのまま使い続ける方針が明確でした。そのため、今回の時点では家族信託の対象に含める必要性は高くないと判断しました。自宅を家族信託に入れること自体は可能ですが、売却や活用の予定がないのであれば、費用や手間とのバランスを考えることが大切です。

また、銀行提携先の見積りでは土地と建物の両方を信託する内容になっていましたが、今回の目的はあくまで「貸ビルの管理を止めないこと」です。そこでミラシアでは、制度の形を大きくするのではなく、目的に合った設計になっているかという視点で見直しました。

ご家族にも、家族信託は広く組むことが正解ではなく、目的に合った形に整えることが大切ですとご説明しました。これによって、ご家族も「家族信託をするかしないか」という考え方から、「何のために、どこまで必要か」を基準に判断できるようになりました。

ステップ2 土地まで広げず、貸ビルの建物に絞って家族信託を設計する

次に、何を家族信託の対象にするかを具体的に整理していきました。

今回、銀行から提案されていた内容は、貸ビルの土地と建物の両方を家族信託の対象にするものでした。しかし、ミラシアでは、ご相談の目的と費用のバランスを丁寧に確認した結果、土地まで信託する必要は高くなく、貸ビルの建物に絞る方が合理的であると判断しました

今回のご家族が備えたかったのは、将来お母様の判断能力に変化があった場合でも、貸ビルの管理や運営が止まらないようにすることでした。実際に日々対応が必要になるのは、管理会社との連絡、テナント対応、契約更新、修繕の判断など、貸ビルの運営に関する実務です。そこで重要なのは、家族信託の対象をむやみに広げることではなく、何のために家族信託をするのかという目的に合った設計にすることでした。

特に今回は、土地の評価額が高かったため、土地まで家族信託の対象にすると費用が大きくなります。家族信託では、信託に伴う登記が必要になりますが、不動産を信託する場合には登録免許税もかかります。土地まで対象に含めると、その分、登録免許税の負担も高額になりやすく、全体のコストが大きく膨らみやすいという問題がありました。銀行提携先から提示された見積りが想定以上に高額だったのも、こうした事情が大きく影響していました。

もちろん、ケースによっては土地も含めて家族信託した方がよいことがあります。しかし今回は、土地まで含めた大きな設計にしなくても、ご家族が本当に備えたい課題には対応できると考えられました。そのためミラシアでは、高額になりやすい土地の信託は行わず、貸ビルの建物に絞って家族信託を組成する方針をご提案しました。

このように対象を絞ることで、必要以上に費用をかけずに、ご家族の目的に合った対策を実現しやすくなります。ご家族にとっても、「家族信託をすること」自体が目的ではなく、貸ビルの管理を止めないために必要な範囲だけを、無理のない形で整えるという方向性が明確になりました。

その上で、受託者については、これまでお母様の財産管理や相談に比較的関わっていた長女が適任と考えられたため、長女を受託者とする方針で進めました。長男にも、今回の家族信託は相続の取り分を決めるためではなく、貸ビルの管理を将来にわたって続けられるようにするための備えであることを丁寧に説明し、ご理解を得ながら進めました。

また、ミラシアでは、信託契約書を作ることだけを目的にはしていません。実際に家族信託が現場でどう動いていくかを重視しています。今回も、管理会社との連携を見据えながら、受託者である長女がどのような立場で対応し、何を根拠に説明できるのかまで意識して設計しました。家族信託は、書類上整っているだけでは足りず、実際の賃貸経営の現場で無理なく動くことが大切です。そのため、組成後の運用まで見据えた形で内容を整えていきました。

ステップ3 費用の不安を減らし、組成後のサポートまで見据える

今回、ご家族がミラシアにご依頼くださった理由の一つは、費用の分かりやすさでした。

最初に提示されていた見積りは、土地と建物を含めた広い範囲での信託が前提となっていたため、費用がかなり高額になっていました。家族信託は、財産の評価額によって費用が大きく変わることがあります。そのため、ご家族としては「対策は必要だと思うが、この金額が本当に適切なのか分からない」というお気持ちをお持ちでした。

これに対してミラシアでは、今回の目的に合わせて必要な範囲を整理し、貸ビルを中心とした家族信託をご提案しました。さらに、料金体系が定額制であること、どこまでのサポートが含まれているのかを事前にしっかりご説明しました。ご家族にとっては、費用の全体像が分かりやすく、安心して進めやすかったようです。

また、ミラシアの特徴として、組成後のアフターサポートが無料である点もご安心いただけたポイントでした。家族信託は、契約して終わりではありません。実際には、管理会社や金融機関への説明、必要書類の確認、今後の運用相談など、組成後にもさまざまな場面が出てきます。

今回は、管理会社への説明についてもミラシアが対応しました。ご家族だけで説明しようとすると、「本当に受託者が対応してよいのか」「今後の契約はどうなるのか」といった確認を受けることがあります。そうした場面で、専門家が制度の内容や権限関係を整理して説明することで、現場の理解が進み、スムーズに移行しやすくなります。

このように、必要な財産に絞った提案、定額制で分かりやすい費用、組成後も続く無料サポート、そして関係者への丁寧な説明によって、ご家族は納得感を持って家族信託を進めることができました。ご相談から組成完了までの期間は約4カ月でした。

3.サポートの結果とお客様の声

今回の家族信託によって、将来お母様の判断能力に変化があった場合でも、長女が貸ビルの管理や運営を続けられる体制を整えることができました。自宅まで広く対象にするのではなく、必要性の高い貸ビルに絞ったことで、費用と実務のバランスが取れた対策になりました。

特に今回の貸ビルは、単に所有しているだけの不動産ではなく、テナント対応や契約判断などが継続的に発生する財産でした。このような財産は、判断能力が低下した後に影響が出やすいため、元気なうちに備えておくことに大きな意味があります。

また、ご家族にとっては、銀行から提案された内容をそのまま受け入れるのではなく、別の専門家の視点から「本当に必要な範囲」を見直せたことも大きな安心につながりました。家族信託は、同じ制度でも、誰がどのような目的で設計するかによって内容も費用も大きく変わります。今回のように、目的に合った形に絞って設計することが、納得のいく家族信託につながります。

お客様からは、次のようなお声をいただきました。

「最初に銀行から紹介された見積りを見たときは、家族信託が必要なのは分かるけれど、ここまで大きくやる必要があるのかなと不安でした。ミラシアさんに相談したことで、自宅は売る予定がないこと、今回本当に備えるべきなのは貸ビルだということが整理できて、何のための家族信託なのかがはっきりしました。」

「費用が定額で分かりやすかったので、安心してお願いできました。契約書を作るだけではなく、管理会社への説明までしていただけたので、実際に始まった後のことまで見てもらえていると感じました。」

「母も、必要以上に大きな話にせず、今の状況に合った対策をしてもらえたことで安心していました。家族としても、将来何かあったときに貸ビルの対応が止まらないと思えるようになったのは、とても大きかったです。」

    4.担当司法書士から

    代表社員 元木翼司法書士  元木翼

    今回の事例では、家族信託が必要かどうか以上に、何を対象に、どこまでの範囲で設計するのがよいかを見極めることが重要でした。

    家族信託のご相談では、「銀行に勧められた」「ほかの専門家から提案を受けた」という形で来所される方も少なくありません。そのときに大切なのは、その提案が一般的に正しいかどうかではなく、そのご家族に本当に合っているかどうかです。

    すべての財産を広く信託した方がよいケースもありますが、今回のように、自宅の売却予定がなく、主な課題が貸ビルの管理に集中している場合には、対象を絞った方が分かりやすく、実務にも合っていることがあります。

    また、賃貸不動産は、判断能力の低下による影響が出やすい財産です。契約更新、賃料交渉、修繕、トラブル対応など、所有者として判断を求められる場面が多いため、何も備えがないままだと管理が止まりやすくなります。特に、過去にテナントトラブルや訴訟対応があった不動産であれば、早めに体制を整えておくことが大切です。

    ミラシアでは、単に家族信託の書類を作るのではなく、ご家族の状況や財産の性質、そして今後の運用まで見据えて、必要な範囲を整理したうえでご提案することを大切にしています。さらに、料金は定額制組成後のアフターサポートは無料とすることで、ご家族が安心して制度を利用できるようにしています。

    家族信託は、制度だけを見ると難しく感じられることがあります。しかし実際には、何に備えたいのかを整理し、その目的に合った形に整えることができれば、とても使いやすい仕組みになります。

    今回の事例のように、必要なものに絞って、無理のない形で備えることが、ご家族にとって納得しやすく、長く役立つ対策につながります。賃貸不動産をお持ちの方が家族信託を考える際の参考になれば幸いです。

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    家族信託の取扱実績全927件※!司法書士法人ミラシア
    ※集計期間:2017年1月〜2025年12月