
目次
事例の概要

◆利用サービス | 「家族信託組成コンサルティングサービス(プランB・自宅)」 |
◆家族構成
| 母(85歳)=神奈川県川崎市 ★委託者★ |
長女(55歳)=神奈川県相模原市 | |
二女(50歳)=神奈川県横浜市 ★受託者★ | |
◆信託財産 | (不動産) 川崎市の自宅マンション(3LDK・築45年) (金銭) 3500万円 |
◆解決までの期間 | 2ヶ月 |
◆相談者 | 村本早苗様(仮名) |
※「家族信託組成コンサルティングサービス(プランB・自宅)」とは、「家族信託組成コンサルティングサービス(プランB・自宅)」とは、自宅不動産の管理・処分権限をご家族へ移転することを目的に、信託スキーム設計から契約書作成、公証役場や信託口口座開設の調整、および信託登記手続を一括して代行するサービスです。認知症による「実家凍結(売却不可)」リスクを回避できるため、将来の介護施設入居費用に充てるための売却や、管理費用の支払いを円滑にし「いざという時に自宅をスムーズに売却できるようにしたい」という方に最適です。
お母様が軽度認知障害(MCI)と診断され、一度は「もう対策は手遅れかもしれない」と諦めかけた状況から、ご相談後わずか2ヶ月という短期間で組成を完了した事例です。将来の施設入所資金を確保するため、ご家族の判断でご自宅を円滑に売却できる法的な準備を整え、将来の不安を解消しました
1. ご依頼の背景:MCIの診断で家族信託はもうできない?
ご相談者の村本様(仮名)は、神奈川県川崎市の分譲マンションで一人暮らしをされているお母様の今後について、強い焦燥感を持って当法人にお越しになりました。
お母様は医療機関で軽度認知障害(MCI)という診断を受けていました。現在は身の回りのことはご自身でできていますが、症状は徐々に進行していく見込みです。村本様ご一家は、お母様が一人で生活できなくなった際は老人ホームへ入所することを計画しており、そのための資金はマンションを売却して捻出する計画でした。
しかし、MCIの診断が出たことで、村本様は「『すでに認知機能に低下が見られる以上、家族信託などの法的な契約はもう結べないのではないか』」という大きな壁に直面しました。もし症状が進行してマンションが売却できなくなれば、入居資金が確保できないだけでなく、空き家となった後の管理費や固定資産税をご家族が負担し続けなければならないというリスクがあったのです。
村本様はインターネット等で「認知症になると契約ができなくなる」という情報を目にし、一度は対策を諦めかけていました。そんな中、当法人のホームページでMCIの方でも対策が可能なケースがあるという実例を知り、相談に踏切られました。
2.解決までの道のり / ミラシアだからできたこと

ステップ1:司法書士による「契約能力」の精緻な見極めと法的な整理
初回のご相談で、村本様は「MCIの診断や要介護認定を受けると、法律行為は一切できなくなるのですよね?」と沈痛な面持ちで質問されました。私たちは司法書士としての実務的な知見に基づき、法的な契約(意思)能力の有無は、医療的な診断名や要介護度だけで一律に決まるものではないという事実を丁寧にご説明しました。
家族信託を組成できるかどうかの基準は、診断書の有無ではなく、あくまで「ご本人が信託契約の目的やメリット・デメリットを理解しているか」という点にあります。これまでの豊富な実務経験から、MCIの段階であれば、専門家が適切にサポートすることで手続きが可能であることをお伝えしました。専門家が介在することで「まだ道は残されている」という見通しを具体的に提示したことが、村本様ご家族の大きな一歩となりました。
ステップ2:お母様への直接面談による意思確認と信託スキームの設計
次に行ったのは、家族信託の根幹となるご本人の意思確認です。担当司法書士がお母様のご自宅を訪問し、直接お顔を合わせて面談を実施しました。お母様の尊厳を守るため、ご本人の尊厳と想いを尊重した柔軟な財産管理の仕組みを構築することが私たちの目標でした。
お母様からは、「娘たちに迷惑をかけたくない」「自分のマンションを売ったお金で、一番良い施設に入りたい」という、非常に明確で強いなご意思を伺うことができました。私たちは、自分の代わりに次女にマンションの管理と売却を任せるという家族信託の仕組みを分かりやすく説明し、お母様がその内容を十分にご理解されていることを専門家として慎重に確認しました。このプロセスこそが、後に公証役場で手続きをスムーズに進めるための重要な土台となります。
ステップ3:2ヶ月でのスピード組成を実現した専門チームの対応
認知機能の低下が懸念される状況では、手続きの遅れが「対策不能」に直結します。私たちは時間との勝負であることを強く認識し、本件を「最優先案件」として、社内で手続きを進めていきましあt。
通常であれば時間がかかる「公証役場との文案調整」や「金融機関での信託口口座の開設準備」を同時並行で進行させ、必要書類の収集についても村本様と密に連携を取りながら先回りして手配を行いました。
相続・家族信託に特化した当法人だからこそ可能な迅速な連携体制を駆使し、ご相談からわずか2ヶ月という短期間で、公正証書の作成から信託登記までをすべて完遂しました。これにより、お母様の症状がさらに進行して契約ができなくなるという最大のリスクを回避することに成功しました。

3.サポートの結果とお客様の声
当法人のサポートにより、お母様の判断能力が確かなうちに、次女である村本様を受託者(財産の管理者)とする家族信託が成立しました。
これにより、将来お母様の認知症状が進行してご自身での契約ができなくなったとしても、受託者である村本様の権限でマンションを円滑に売却することが可能となりました。空き家の維持コストに悩まされることもなく、施設入所や介護に必要な資金を計画通りに確保できる見通しが立っています。
手続きを終えた村本様からは、安堵の表情とともに次のようなメッセージをいただきました。
4.担当司法書士から
今回の事例で最も重要だったのは、診断名だけで判断せず、ご本人の意思能力を直接確認したことです。世間では「認知症=何もできない」というイメージが先行しがちですが、実際にはMCIの段階で適切な対策を講じれば、ご本人の尊厳を守りながら資産を守ることは十分に可能です。
私たちは、単に書類を作成するだけの事務的な存在ではありません。ご本人様がどのような人生を歩んできたのか、そしてご家族がどのような未来を願っているのか。その想いの部分を丁寧に汲み取り、法的な形にすることこそが私たちの使命です。今回、約2ヶ月という短期間で全ての手続きを完了できたのは、当法人が培ってきた専門性と、何よりお母様とご家族様の「一歩踏み出す勇気」があったからこそです。
認知症対策に「早すぎる」ということはありません。ですが、「もう少し早く相談していれば」と後悔される方を私たちは数多く見てきました。少しでも不安を感じた時、それが最善の対策を講じるタイミングです。私たちが、ご家族の平穏な未来のために全力で並走させていただきます。


司法書士 元木翼


コメント