
「自宅不動産の家族信託は、どんなところに依頼したらいい?」
自宅不動産の家族信託は、家族信託コンサルティングなどの会社や、司法書士事務所など様々な選択肢があり、どこに相談したらよいかわからず迷ってしまう方も多いですよね。
そこで今回は、8年間(2017年〜2025年)不動産の家族信託のみで346件と、不動産に関する家族信託の実務を数多く手がけてきた司法書士法人ミラシアが、自宅不動産の家族信託で“後悔しない”相談先の見極め方をご紹介いたします。
【自宅不動産の家族信託で“後悔しない”相談先の見極め方】
1.【最重要】資格を持った専門家(司法書士や弁護士など)が最初から最後まで一貫して対応してくれる
2.【次に重要】家族信託における受任実績を明確に公開している
3.自宅の評価額に比例しない定額制の料金体系である
4.信頼できる不動産会社や施設紹介会社を紹介してくれる
5.短期間で自宅不動産の家族信託を開始できる提案を行える
自宅不動産の家族信託は単に契約書を作成するのではなく、総合的支援が求められる手続きです。もし相談先選びを誤ってしまえば、手続きが停滞したり、トラブルに見舞われるリスクも高まります。
実際に、私たちは実務をこなしながら、
「本当は、家族信託そのものがいらなかった」
「他社に依頼すると倍近く費用がかかるところだった」
「思ったより認知症の兆候の進行が早く、あやうく間に合わないところだった」
…といったご家庭を多数みてきました。
今回は、あなたが後悔のない選択をされ、将来にわたる安心を実現できるよう、自宅不動産の家族信託の相談先を選ぶ際に特に重要となる5つの決定的な視点を、専門家の立場から解説いたします。
この記事が、お客様にとって最適なパートナーを見つけるための一歩となることを願っています。
また、私たちミラシアは、2017年から2025年の8年間で、不動産の信託だけで346件という業界トップクラスの実績を積み重ねてきました。
その経験を踏まえて、お伝えしたいことがあります。実は、自宅不動産の家族信託は同じ実施内容であっても、どこに依頼するかによって費用が大きく変わります。
実際に、相談先によって費用が2倍変わるケースも珍しくありません。
「どうして、相談先ごとに費用差が生まれるのか」その理由と、安心して自宅不動産をお任せいただけるミラシアの家族信託について、詳細をまとめたページをご覧ください。
⇒自宅不動産をお持ちの方に向けた家族信託サービスについて詳細はこちら
目次
1. ポイント(1)資格を持った専門家(司法書士や弁護士など)が最初から最後まで一貫して対応してくれる

家族信託の相談先を選ぶ上で、資格を持った専門家(司法書士や弁護士など)が、最初から最後まで一貫して対応する体制が整っているかを確認することが極めて重要です。
そのメリットは、以下の2つが挙げられるでしょう。
・余計な時間や費用がかからない
・信託の必要性そのものを判断できる
1-1.余計な時間や費用がかからない
家族信託の業務は非常に専門性が高く、特に不動産を信託財産に含む場合、「信託登記」という司法書士の独占業務が必ず発生します。
家族信託コンサルティング会社や行政書士に依頼した場合、信託登記の部分だけを別途司法書士に依頼する必要が生じ、業務が一気通貫で進まないだけでなく、余計な時間や費用がかかる可能性があるのです。
これに対し、司法書士に依頼することで、契約書の作成から登記手続きまでをワンストップでスムーズに完了できます。
資格を持つ専門家である行政書士は、不動産を信託財産に含めるときに信託契約の内容を登記簿に記録する「信託登記」ができません。
そのため、行政書士に依頼すると、結局信託登記の部分だけを別途司法書士に依頼することになってしまいます。
1-2.信託の必要性そのものを判断できる
さらに重要なのは、信託の必要性そのものを判断できる専門性です。
とくに、自宅不動産の場合、単に家族信託を「やりたい」というお客様に対し、他のソリューション(成年後見制度や遺言、生前贈与など)と比較検討し、「そもそも信託が必要か」「自宅を売却する予定がないなら遺言だけで十分ではないか」といった本質的な判断ができるのは、幅広い実務経験を持つ資格者にしかできないからです。
実際に、私たちミラシアでも初回相談でお話をうかがった結果、「そもそも生前に自宅を売却する予定がない」ことがわかり、遺言だけで十分だという結論に至ったことがあります。
一方で、家族信託コンサルティング会社などの場合、家族信託を「やりたい」というお客様へ、他のソリューションを提案することは基本的にありません。
このように、お客様の状況に応じた最適な提案を受けるならば、最初から最後まで国家資格を持つ専門家に担当してもらいましょう。
2. ポイント(2)家族信託における受任実績を明確に公開している

次に、その事務所が家族信託における受任実績を明確に公開しているかどうかが、信頼できる相談先を見極める上での重要なポイントとなるでしょう。
経験がない相談先の場合、信託口座の開設など、自宅における複雑な手続きの際に遅延が発生する可能性があるからです。
例えば、家族信託をほとんど行ったことがない方が家族信託契約書を作成すると、銀行側が「このような契約書では口座が作れません」と審査で不許可とする可能性があり、再提出で余分に時間がかかってしまうリスクがあります。
とくに、自宅不動産を信託財産に含める場合、金銭信託(現金や株式など)のみの場合よりも通常2〜3週間程度完了までに時間がかかります。
「いつ認知症と診断されるかわからない」と家族信託を急いでいるなら、少し遅れると家族信託開始までに間に合わないかもしれません。
家族信託の相談先の中には、家族信託の実務経験がほとんどないところが存在します。そのため、この分野で確かな実績を積んでいる事務所を選ぶことが、安心へと繋がるでしょう。
3. ポイント(3)自宅の評価額に比例しない定額制の料金体系である

続いて、自宅不動産の家族信託を検討されている場合、自宅の評価額に比例しない定額制の料金体系を採用している相談先を選ぶことをおすすめします。
本来かかるはずだった費用を大幅に抑えられる可能性があるからです。
実は、多くの専門家やコンサルティング会社は、信託する財産の評価額に応じて報酬を決定する報酬体系を採用しています。
しかし、不動産の価格が高くても、家族信託の組成業務自体が変わるわけではありません。
そのため、特に5,000万円以上など、評価額の高い自宅をお持ちのお客様は、評価額に比例しない定額制を採用している事務所を選ぶことで、他社と比較して大幅に費用を抑えられる可能性が上がります。
実際に、自宅不動産の評価額が5,000万円の場合を想定し、定額制と従量課金制を比較した際の費用の差を見てみましょう。
【自宅不動産の評価額が5,000万円の場合】
料金目安※1 | 合計金額目安 | |
定額制(ミラシアの場合) | ・専門家のコンサルティング費用 | 約30万円台後半〜40万円台程度 |
従量課金制(1.1%の場合) | ・専門家のコンサルティング費用 ・司法書士の費用 | 約70〜80万円程度 |
※1… 契約書作成費用や信託口口座開設のサポート費用など、どの相談先に依頼しても発生する実費については省略しています。
※2…司法書士の費用も含んでいます。
このように、定額制と従量課金制を比べると、最終的にかかる費用が大幅に変わることがおわかりいただけるかと思います。
また、定額制の料金体系は、お客様が自宅の価格に関わらず費用を事前に把握しやすいというメリットもあります。
費用に関する不明瞭さや、後からの予期せぬ追加費用の発生を避けるためにも、明確な定額制を採用している事務所が望ましいと言えるでしょう。
初期費用が「5万5,000円から」などと安価に見える依頼先は要注意です。
実際には高額な従量課金制(財産額の1.1%)を適用し、さらに信託後の管理費として月額費用(アプリ利用料など。月額3,000円前後)などを徴収しているケースがあるからです。「最終的にかかる費用はいくらなのか」を確認しましょう。
4. ポイント(4)信頼できる不動産会社や施設紹介会社を紹介してくれる

続いて、単に信託契約を完了させるだけでなく、信頼できる不動産会社や施設紹介会社を紹介してくれる相談先を選びましょう。
「2. ポイント(2)家族信託における受任実績を明確に公開している」でもお伝えしたとおり、自宅売却や施設入居まで見据えたサポート体制を持つ相談先なら、必然的に自宅不動産の家族信託を行ってきた経験がある可能性が高いからです。
また、家族信託を検討する方の多くは、将来的に自宅を売却し、親御様を施設へ入居させるというところまでを見据えていらっしゃいますよね。
そこで、単なる紹介ではなく、「信頼できる会社」を紹介してくれる相談先なら、以下のようなメリットがあります。
・納得のいく金額で自宅を売却できる
※不動産会社の中には、売主と買主の両方から仲介手数料を得ようとする「両手取引」の会社があります。
・住み心地も手数料も納得の施設を選べる
※施設紹介会社の中には、手数料の高い施設を優先的に勧める会社があります
家族信託は契約して終わりではなく、契約してからが始まりです。そのため、あなたの自宅売却や施設入居などの最終的なゴールまで寄り添ってくれる相談先を選びましょう。
5. ポイント(5)短期間で自宅不動産の家族信託を開始できる提案を行える

最後に、短期間で自宅不動産の家族信託を開始できる提案を行える相談先を選びましょう。
親御様の認知機能低下が急激に進行しそうな状況下で家族信託を検討されている場合、間に合わない可能性があるからです。
経験豊富な専門家なら、例えば、信託口口座の開設を伴わない家族信託を提案し、通常2〜3ヶ月かかるところをわずか1ヶ月で信託開始することができたりします。
信託口口座の開設を伴わない家族信託は、金融機関が定める信託口口座の厳しい開設基準(公正証書必須など)に縛られることなく、家族信託を迅速にスタートできる柔軟性があります。
一方で、この手法の最大のデメリットは、財産管理の安全性が低いことです。外見上は受託者個人の口座であるため、万一受託者が死亡すると、信託金銭が凍結してしまうリスクなどが伴います。
本来は、法的保護が確実な信託口口座を開設することを強くおすすめします。
しかし、近くに信託口口座を開設できる金融機関がない場合や、金融機関が求める開設条件(公正証書必須など)を満たすことが難しい場合の代替手段として、このうような信託口口座の開設を伴わない家族信託をおすすめするケースもあるのです。
実績が少ない会社は、この信託口口座を作らない家族信託のような、イレギュラーな方法を知らない可能性があるでしょう。
このように「間に合わなくなる」事態を避けるために、迅速かつ適切な手続きが行える相談先を選びましょう。
6.まとめ
最後に、この記事を簡単にまとめましょう。
自宅不動産の家族信託で“後悔しない”相談先の見極め方は、以下の5つの視点があります。
【自宅不動産の家族信託で“後悔しない”相談先の見極め方】
1.【最重要】資格を持った専門家(司法書士や弁護士など)が最初から最後まで一貫して対応してくれる
2.【次に重要】家族信託における受任実績を明確に公開している
3.自宅の評価額に比例しない定額制の料金体系である
4.信頼できる不動産会社や施設紹介会社を紹介してくれる
5.短期間で自宅不動産の家族信託を開始できる提案を行える
信頼できる家族信託の専門家選びは、お客様の財産と将来の生活を守るための、非常に重要な意思決定です。
今回ご紹介した5つの視点を参考に、お客様の状況に真摯に向き合い、長期的な安心を提供できるパートナーを選んでいただくことを心から願っております。



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