司法書士ならこう選ぶ!現金家族信託における相談先の必須条件3つ

「現金の家族信託の相談先は、どこに依頼すればよいのか?」

現金のみを対象とした家族信託では、口座の管理方法や将来の運用まで含めて、幅広い視点で検討する必要があります。そのため、「どこに相談すればよいのかわからない」と迷ってしまうのも無理はありません。

実は、現金の家族信託について相談できる先は数多く存在しますが、その多くが契約書の作成そのものに十分慣れていないというのが実情です。

特に問題になりやすいのは、「その契約書で、実際に銀行が信託口口座を開設してくれるのか」という点まで、きちんと責任を持てるかどうかです。

ここまで見据えて対応できる専門家は、決して多くありません。その結果、手続き後に次のようなトラブルが起こるケースもあります。

  • 「既存顧客でなければ対応できない」と言われ、口座開設ができなかった
  • 「信託する金銭は500万円」という設計で申し込んだところ、「当行では信託財産が3,000万円以上でなければ口座開設できない」と断られた

このように、契約を作っただけでは終わらないのが、現金の家族信託の難しさです。

そこで本記事では、2017年から2025年までの8年間にわたり、金銭の家族信託のみで519件とトップクラスの実務を手がけてきた司法書士法人ミラシアが、現金の家族信託における相談先の「3つの必須条件」を解説します。

【現金の家族信託における相談先の「3つの必須条件」】

  1. 信託口口座の開設実績が豊富であること
  2. 信託以外の「代替案」と比較できる公平な視点を持っていること
  3. 証券口座開設の実務知識と設計力を備えていること

本記事では、司法書士の立場から業界の実情も踏まえつつ、現金の家族信託における相談先の見極め方を、実力のない相談先で起こり得るリスクと専門家の実力を見抜く方法を交えて解説します。

この記事が、ご自身にとって最適なパートナーを見つけるための一助となれば幸いです。

また、私たちミラシアは2017年から2025年の8年間で、金銭の信託だけで519件という業界トップクラスの実績を積み重ねてきました。

その経験を踏まえてお伝えしたいのは、お金の家族信託は、同じ実施内容であっても「どこに依頼するか」で費用に大幅な差が生まれるという事です。

実際に、相談先によって費用が2倍変わるケースもしばしば見受けられます。

「なぜ、そんなに差が生まれるのか?」その理由と、安心してお金をお任せいただけるミラシアの家族信託について、詳細をまとめたページをご覧ください。

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1.信託口口座の開設実績が豊富であること

金銭の家族信託において、もっとも実力差が出るのが信託口口座の開設実績です。 

これは、金銭を管理するための環境を確実に整えられるかどうかという、いわば土台にあたる部分だからです。

実際には、「契約書は作成したものの、金融機関での手続きがうまくいかず、信託口口座を開設できなかった」というケースは決して珍しくありません。

信託口口座の開設は顧客の資産規模や居住エリア、信託の目的に応じて、「どの金融機関であれば口座開設が可能か」という最適解が求められます。こうした最適解を把握していなければ、手続きが行き詰まる可能性が高くなるのです。

また、不動産と異なり、金銭の家族信託は契約書があるだけでは管理できません。信託口口座に入金されて初めて、倒産隔離機能(親が破産しても信託財産が守られる)や、凍結防止機能(親が認知症になっても受託者が管理・使用できる)が十分に発揮されます。

もし専門家に金融機関との調整経験が乏しく、口座を開設できなければ、その信託契約は実務上、不完全なものになりかねません。

そのため、専門家の実力を測る最初の基準は、法的知識の多さではなく、実務として「どの金融機関で信託口口座を開設できるか」を把握しているかどうかという経験値に尽きます。

1-1.実力のない相談先で起こること

金銭の家族信託において「契約書はできたが、口座が作れない」というケースは、実務現場で頻繁に起こります。 

これは法律(信託法)の要件とは別に、金融機関ごとの独自ルール(コンプライアンス・収益性基準)が存在するためです。

実務上、口座開設を断られる主な原因は、以下の4つのパターンに集約されます。

1.【資産規模の壁】最低預入金額の基準

金融機関にとって、家族信託口座の管理は事務負担が重いため、収益性を重視して「最低預入金額」を設定しているケースがあります。

事例

「信託する金銭は500万円」という設計で持ち込んだところ、「当行では信託財産が3,000万円以上でないと口座開設をお受けできません」と断られる。

実務の
傾向

特に信託銀行などでよく見られる基準です。この場合、金額要件のハードルが低い地域の信用金庫などを選定する必要があります。

2. 【取引実績の壁】「既存顧客」でないと対応不可

金融機関によっては、すでにその銀行と取引がある顧客(委託者)でなければ、信託口口座の開設を受け付けないという方針をとっているところがあります。

事例

「金銭管理のために新しくA銀行を使いたい」と相談に行ったが、「当行に既に口座をお持ちで、年金受取などの取引実績がある方でないと、信託口口座の開設はできません」と断られる。

実務の
傾向

マネーロンダリング対策や顧客管理の観点から、一見さん(新規顧客)の信託利用を断る金融機関は少なくありません。

3. 【形式の壁】「公正証書」が必須、私文書は不可

法律上、信託契約は当事者間の合意(私文書)でも成立しますが、実務上、信託口口座を作る際、ほぼ全ての金融機関で「公正証書」で作られた契約書を求められます。

事例

費用を節約しようと、自分たちで作った契約書(私文書)を持ち込んだが、「公証人の意思確認を経ていない契約書では、コンプライアンス上、口座開設できません」と断られる。

実務の
傾向

金銭信託で口座を作るなら、公正証書作成はマストと考えたほうが安全です。

4. 【専門家の壁】金融機関指定の専門家でないと不可

ここが一般の方には見えにくい最大の壁です。銀行によっては、「誰が組成した信託か」を重視します。

事例

「お客様が連れてきた司法書士の先生は、当行の基準(協定など)を満たしていないため、お受けできません」と言われる。

実務の
傾向

銀行ごとに「信頼できる(提携している)専門家ルート」があり、実績のない専門家からの持ち込みには非常に慎重です。

繰り返しになりますが、この実務を経験していない専門家も多く、そもそもこうしたリスクを把握していないケースが少なくないのが現状です。

この点を理解しないまま契約書を作成してしまうと、金融機関に持ち込んだ際に受け付けてもらえず、最悪の場合、契約書を一から作り直すことになりかねません。

同じ金融機関でも「支店ごと」に判断が異なる

さらに実務を難しくしているのが、同じ銀行であっても、支店や担当者によって対応が異なるという点です。

本部としては取り扱い可能であっても、支店の担当者が家族信託の実務に慣れていない場合、「よく分からない」という理由で断られたり、本部への確認に数か月を要したりするケースもあります。

こうした点を十分に理解していないと、口座開設に時間がかかっている間に本人が認知症を発症し、結果として手続きが間に合わなくなるおそれがあります。

1-2.専門家の実力を見抜く方法

ホームページに信託口口座の開設実績が具体的に記載されていることは、まず確認したいポイントです。

そのうえで、実際の相談時には、

「私のケースでは、具体的にどの金融機関で信託口口座を開設するのが最適ですか?」

と質問してみましょう。

このとき、

「お近くの銀行で相談してみてください」
「屋号付き口座で作れば問題ありません」

といったように判断を丸投げしたり、本来の信託口口座とは異なる方法で済ませようとする回答が返ってきた場合は、その時点で相談先の候補から外すべきです。

一方で、

「お客様の状況であれば、〇〇銀行や△△信用金庫での開設実績がありますので、そちらで進めるのが適切です」
「当事務所では500件以上の信託口口座開設実績があり、この契約条項であれば〇〇銀行で手続きが可能です」

といったように、状況に応じた金融機関を具体的に示し、実績を踏まえて説明してくれるのであれば、その専門家は信頼できる相談先と判断してよいでしょう。

2.信託以外の「代替案」と比較できる公平な視点を持っていること

次に確認すべきなのは、顧客の状況に応じて適切な制度を提案できるかどうかという点です。

なぜなら、家族信託はあくまで選択肢の一つであり、必ずしも唯一の正解とは限らないからです。

たとえば、管理する金銭の額が比較的少額であったり、必要な対応が生活費の引き出し程度に限られる場合には、コストのかからない「銀行の代理人届出」や「任意後見制度」で十分対応できるケースも少なくありません。

実際にミラシアでも、事前のヒアリングを行った結果、家族信託が不要と判断されるケースが体感で約2割程度あります。一例をご覧ください。

【コスト面から「代理人カード・予約型代理人」で十分と判断したケース】

相談者の状況 

・80代の母(独居・判断能力は十分)
・50代の長男(遠方在住・月1回帰省)

財産

預貯金100万円
年金収入で生活、余剰資金なし

このケースでは当初、「母が最近、銀行の窓口に行くのを億劫がっている。将来、認知症になって口座が凍結されると、生活費や医療費が支払えなくなると聞いた。今のうちに家族信託をして、私が母のお金を管理できるようにしたい」という相談を受けていました。

しかし、丁寧にヒアリングを行った結果、見えてきた本質的な課題は別のところにありました。お母様の判断能力は非常にしっかりしており、「自分のお金は自分で管理したい」という明確な意思をお持ちだったのです。

また、長男様の本当の目的も、資産運用や承継対策ではなく、「お母様が動けなくなったときに、代わりに生活費を引き出せるようにしたい」という点にありました。

この状況で家族信託を組むと、専門家報酬や公正証書作成費用などで、最低でも数十万円の初期費用がかかります。管理する預貯金が100万円であることを踏まえると、費用の割合があまりにも高く、資産の相当部分が初期費用で消えてしまうことになります。

一方で、必要な対応が「単純な出金」に限られるのであれば、各金融機関が無料または安価に提供しているサービスで十分対応可能です。具体的には、

  • お母様が元気なうちは、長男様用の代理人カードを発行し、ATMでの引き出しをサポートする
  • 将来、お母様の判断能力が低下した場合に備え、あらかじめ長男様を代理人として登録する「予約型代理人サービス」を利用する

といった方法を選択しました。

結果、家族信託なら数十万円かかるところ、銀行の手続き費用のみ(数千円~無料)で済みました。さらに、信託契約書を作るには数ヶ月かかりますが、銀行の窓口手続きだけで完了し、スピーディーに体制が整いました。

このように、家族信託が必ずしも最適解とはならないケースは少なくありません。それにもかかわらず、一律に家族信託を勧める進め方では、顧客にとって最善の解決策とは言えないでしょう。

だからこそ、「今回はコストに見合わないため、家族信託ではなく銀行のサービスを利用したほうがよい」と、顧客の利益を最優先に判断できる専門家こそが、信頼できるパートナーだといえます。

2-1.実力のない相談先で起こること

家族信託以外の選択肢が十分に提示されず、本来は家族信託を利用する必要がないにもかかわらず、信託を勧められてしまうケースは少なくありません。

特に多いのは、次のようなパターンです。

1.管理すべき金融資産がほとんどない(年金だけで生活している等)

このケースでは、そもそも信託の対象となる財産(元本)がほとんどありません。

高齢者の生活費の基盤となる公的年金は、法律上、本人名義の口座でしか受け取ることができず、信託口口座へ直接振り込むことはできません。

そのため、 手持ちの預貯金が少なく、「毎月の年金が入ってきては、そのまま生活費として出ていく」という自転車操業に近い家計状況の場合、わざわざ信託契約を結んで信託口口座を作っても、そこに入れるお金がなく、管理する実益も乏しいのが実情です。

本来このケースで必要なのは、財産管理(家族信託)ではなく、身上監護(生活のサポート)です。

 本人の判断能力が低下した場合は、社会福祉協議会の「日常生活自立支援事業」や、行政の措置、最終的には「法定後見制度」を利用して生活を守るのが公的なセーフティネットの役割であり、コストのかかる家族信託の出番ではありません。

2.資産を取り崩す(使う)予定がない

「認知症対策=家族信託」と短絡的に考えがちですが、そもそも口座が凍結されて困るのは、「そのお金を引き出して使う必要があるから」です。

ここで重要になるのが、ライフプランニング、つまり将来の収支を見据えたシミュレーションです。

たとえば、ご本人が1億円の預金(ストック)を保有し、さらに高額な年金や不動産収入といった安定した収入が継続的にあるケースを考えてみましょう。

施設費用や医療費を含めたすべての支出を、「フロー(年金・不動産収入)」の範囲内で賄えており、仮に100歳まで生きたとしても、1億円の預金(ストック)には手を付ける必要がないという計算が立つならば、その資産は「管理・活用すべきお金」ではありません。

実質的には、「使わずに次世代へ引き継ぐ資産」、つまり遺産として位置づけるべきものです。

使う予定のないお金であれば、仮に認知症により口座が凍結され、引き出せなくなったとしても、現在の生活に支障は生じません。

このような場合、コストをかけて「使えるようにするための対策(家族信託)」を行う必要性は低く、むしろ将来の相続税対策や、遺産分割を見据えた遺言の作成に注力するほうが合理的といえるでしょう。

2-2.専門家の実力を見抜く方法

相談先を見極める際には、次の2点を必ず確認しましょう。

1.将来の収支シミュレーション(ライフプランニング)を元に判断しているか聞く

家族信託が必要かどうかを判断するためには、単に「預金があるか」だけでなく、「その預金を将来使うのか」を見極めるライフプランニングが不可欠です。

例えばミラシアでは、単に信託の手続きをするだけでなく、ライフプランニングを行った上で、本当に信託が必要かどうかを判断しています。

将来の生活費や医療・介護費用を含めた収支を見据えたうえで、「信託が本当に必要か」「他の制度で足りないか」を検討してくれるかどうかは、非常に重要なポイントです。

2.「私の目的を達成するために、銀行の代理人カードや任意後見と比べて、なぜ家族信託が最適なのでしょうか?」と質問する

「家族信託のほうが柔軟なので、信託にしましょう」
「他の制度は使い勝手が悪いです」

といったように、比較の根拠が曖昧なまま家族信託へ誘導したり、他制度のデメリットばかりを強調する回答が返ってきた場合は、その相談先は顧客のことを考えていません。

一方で、

「今回の目的は生活費の決済が中心ですので、まずは銀行の代理人カードや予約型代理人の利用を検討しましょう」

「お客様のケースでは、金融機関の規定上、信託口口座の開設が難しい可能性があります。そのため、無理に家族信託を進めるのではなく、任意後見契約で備えるほうが確実です」

といったように、目的や状況を踏まえたうえで別の制度を提案してくれるのであれば、その相談先は顧客の利益を最優先に考えていると判断してよいでしょう。

3.ポイント(3)証券口座開設の実務知識と設計力を備えていること

最後に確認したいのは、相談先の証券口座開設の実務知識と設計力です。

ここまで解説した「信託口口座を確保できるか」「家族信託が本当に必要か」をクリアしたうえで、最後に差がつくのが、金銭を守りながら増やすことを見据えた契約内容になっているかという“質”の部分です。

人生100年時代において、家族信託は10年、20年といった長期間にわたって継続することが一般的です。

その間、たとえば現在の1,000万円をただ銀行口座に置いたままにしていると、20年後のインフレ環境下では、実質的な価値が目減りしている可能性もあります。

こうした背景から、受託者(管理する家族)が安全な範囲で資産運用を行えるよう、証券会社で信託口口座を開設したいというニーズは年々高まっています。

しかし、証券会社での信託口口座開設は銀行以上にハードルが高く、対応できる金融機関は限られています。

また、契約書に特定の条項(運用権限や特定口座に関する記載など)が入っていなければ、口座開設自体を断られてしまうケースも少なくありません。

こうした点まで見越して契約書を設計できるかどうかに、専門家としての実務経験の差が如実に表れます。ここまで配慮できる専門家は、単なる手続きの代行者ではなく、資産承継を長期的に支えるコンサルタントとして、高い実力を備えているといえるでしょう。

3-1.実力のない相談先で起こること

実力のない相談先では、そもそも証券会社で信託口口座を開設できる契約書を作成できないケースが少なくありません。

さらに、重要な項目が抜け落ちたまま契約を進めてしまい、後になって「使途不明金ではないか」と追及されるリスクを招くこともあります。

特に多いのが、次のような重要項目を見落としてしまうパターンです。

1. 分別管理の徹底を契約書で約束させていない

受託者(子)の個人財産と、預かった信託財産を明確に分けて管理することは、家族信託における大原則です。

しかし、口頭での合意だけでは十分な保全とはいえません。

そのため、契約書には

「受託者は、信託事務処理のために、金融機関に信託口口座を開設し、そこで金銭を管理しなければならない」

という管理義務を明記します。

これにより、将来、受託者が先に亡くなった場合や、破産した場合でも、口座凍結や差押えといったリスクを回避できるのです。

2. 「運用できる」の記載のみで金融機関の審査基準を満たしていない

信託した金銭で投資信託などの運用を行う場合、契約書に単に「運用できる」と記載するだけでは、証券口座の開設が認められないケースがほとんどです。

 証券会社ごとに「約款上のこの文言がないと口座開設は認めない」という細かな規定があります。

 そのため、一般的な定型文を使うのではなく、利用予定の証券会社が求めている文言(運用商品やリスク許容度の記載など)を事前に確認し、その要件を満たす条項を盛り込む必要があります。

3. 「親のために使う」の範囲を具体化していない

金銭は、不動産と比べて費消されやすい財産です。そのため、「受益者のために使用する」といった抽象的な表現だけでは不十分です。

生活費・医療費以外に、例えば「自宅の修繕費」や「老人ホームの入居一時金」など、どのような目的であれば受託者の判断で支出して良いかを具体的に記載する必要があります。

 これにより、将来他の相続人から「使途不明金である」と追及されるリスクを低減させます。

4. 誰に渡すかを決め、円滑な承継を準備していない

信託終了時(親御さんが他界した際)、残った財産を「誰に」「どのように」渡すかを決めておくことは極めて重要です。 

遺言代用機能として「長男に〇割、次男に〇割」と承継先(帰属権利者)を明確にするだけでなく、投資信託などが含まれる場合に備え、「受託者の判断で換金し、金銭で給付できる」という権限も併せて記載します。 

これにより、遺産分割協議を行う必要がなくなり、スムーズな資産承継を実現します。

3-2.専門家の実力を見抜く方法

実際の相談時には、

「将来、信託した金銭で資産運用をする場合、どこの証券会社で口座開設ができますか? そのための要件は契約書に含まれていますか?」

と質問してみてください。

この際、

「契約書に運用できると書いておけば大丈夫だと思います」
「運用はリスクがあるので推奨しません」

といった回答しか返ってこない場合は、具体的な証券会社の実務を把握していなかったり、運用に対応するノウハウがないため、相談先候補から外しましょう。

一方で、

「可能です。現在、信託口口座の開設に対応している〇〇証券を想定し、契約書にはその要件を満たす条項を盛り込みます」

といったように、証券会社名や契約内容を具体的に説明してくれるのであれば、その専門家は実務に精通していると判断してよいでしょう。

4.まとめ

最後に、本記事の内容を簡単に整理します。

現金の家族信託について相談する際は、次の3つの条件を満たす専門家を選ぶことが重要です。

【現金の家族信託における相談先の「3つの必須条件」】

  1. 信託口口座の開設実績が豊富であること
  2. 信託以外の「代替案」と比較できる公平な視点を持っていること
  3. 証券口座開設の実務知識と設計力を備えていること

現金の家族信託の専門家選びは、大切な財産と将来の生活を左右する、極めて重要な判断です。

本記事でご紹介した視点を参考に、ご自身の状況に真摯に向き合い、長期的な安心を共に築いていけるパートナーを選んでいただければ幸いです。

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※集計期間:2017年1月〜2025年9月