当初「家族信託」を検討されていたご夫婦が、特例を用いた「生前贈与」でより効果的な節税と対策を実現した事例

事例の概要

◆利用サービス

生前贈与コンサルティングサービス ※

◆家族構成

父(79歳)=千葉県白井市在住 ★贈与者★

母(71歳)=千葉県白井市在住 ★受贈者★

長女(47歳)=神奈川県横浜市在住 

次女(46歳)=千葉県佐倉市在住

◆信託財産

(不動産)自宅の土地・建物(千葉県白井市・築40年・35坪)

◆解決までの期間

2ヶ月

 

長女 棚橋敦子様(仮名)

※「家族信託組成コンサルティングサービス(プランB・自宅)」とは、自宅不動産の管理・処分権限をご家族へ移転することを目的に、信託スキーム設計から契約書作成、公証役場や信託口口座開設の調整、および信託登記手続を一括して代行するサービスです。認知症による「実家凍結(売却不可)」リスクを回避できるため、将来の介護施設入居費用に充てるための売却や、管理費用の支払いを円滑にし「いざという時に自宅をスムーズに売却できるようにしたい」という方に最適です。

ご主人が将来認知症になった際の「資産凍結」をご心配され、当初は家族信託をご検討されていたお客様の事例です。当法人でご夫婦が本当に叶えたいご希望をじっくりお伺いした結果、家族信託ではなく、税金の特例を活用した「生前贈与」が最も適していると判断し、ご提案いたしました。ご相談からわずか2ヶ月という短期間でご自宅の名義変更(所有権移転登記)を完了させ、将来のご自宅の売却や相続に関するご不安を根本から解消することができました。

1.将来の資産凍結に対する切実なご不安

ご相談者の棚橋様(仮名)は、千葉県白井市にお住まいで、ご主人と長年二人暮らしをされていました。

ご自宅は築40年を迎え、ご主人のご年齢も上がってきたことから、これからの財産管理にご不安を抱えられていました。私が登壇した「家族信託セミナー」に棚橋様がご参加くださり、その後個別相談をお申し込みいただいたことが本件のきっかけです。

面談で棚橋様は、「もし夫が認知症になって判断能力がなくなってしまったら、自宅を売却したり、修繕の契約をしたりすることができなくなる『資産凍結』の状態になってしまうのではないか」と、切実なご心配をお話しくださいました。

お子様方はすでに独立されているため、将来的なご自宅の売却も視野に入れておられました。また、「将来の相続手続きや費用負担で子どもたちに迷惑をかけたくない」「自分たちが元気なうちに権利関係を整理しておきたい」という強いお気持ちもお持ちでした。

家族信託以外の選択肢を求めて専門家へ相談

棚橋様はセミナーで家族信託の仕組みを知り、ご自身の状況にぴったりなのではないかとお考えでした。

しかし、「本当に家族信託が一番良い方法なのか」「税金や費用の面で損をしてしまわないか」「他にもっと適した方法があるのではないか」と迷われ、ご自身だけでは判断が難しいと感じておられました。そこで、幅広い視点から専門家の意見を直接聞き、最適な方法を決めたいとの思いで、当法人へご相談にいらっしゃいました。

2.解決までの道のり / ミラシアだからできたこと

ステップ1:「家族信託」という枠にとらわれず、本当の目的に寄り添った選択肢をご提示

お問い合わせいただいた当初、棚橋様は「家族信託を利用して、私の判断で自宅を管理できるようにしたい」とご希望されていました。私たちは、ご主人の万が一に備えたいというお気持ちをしっかりと受け止めた上で、専門家として「ご夫婦が最終的にどのような形を望んでおられるのか」を整理するところから始めました。

丁寧にお話を伺っていくと、棚橋様の本当の目的は「将来、奥様お一人の意思でスムーズに自宅を売却できるようにすること」と「奥様へ確実に自宅を引き継ぐこと」の2点であることがはっきりと分かりました。

そこで私たちは、、最初にご希望されていた家族信託だけでなく、もう一つの選択肢として「生前贈与」をご提示し、それぞれの良い点と注意すべき点を分かりやすく比較してご説明いたしました。

家族信託の良い点は、ご主人が認知症になった後でも、財産を管理する人(受託者である奥様)の権限で自宅の売却ができることです。しかし注意点として、信託契約書の作成や公証役場での手続きが必要になるため初期費用が高くなりやすいこと、また、自宅の所有権そのものが奥様に完全に移るわけではないことが挙げられます。スタートまでに時間がかかることもデメリットです。

一方、生前贈与の良い点は、ご自宅の名義をご主人から奥様へ完全に変更できるため、将来売却する際も奥様ご自身の意思で自由に行えることです。さらに、あらかじめ奥様へ名義を移しておくことで、将来ご主人がお亡くなりになった際の「相続登記(名義変更手続き)」が不要になるという大きなメリットもあります。注意点としては、贈与税や不動産取得税といった税金やコストがかかる可能性があることが挙げられます(実行時に必ず税理士に相談する必要がある)。

このように、複数の選択肢をご自身の状況に合わせて客観的に比較していただいたことで、棚橋様は解決に向けた具体的なイメージを正しく持つことができました。

ステップ2:税務上のメリットを最大限に活かす「おしどり贈与」と「マイホーム特例」を見据えた設計

生前贈与の仕組みや将来の相続登記が不要になるメリットをご理解いただいた一方で、棚橋様は「贈与税の負担」について新たなご不安を感じておられました。この点について、私たちは提携している税理士としっかりと連携し、担当の税理士から直接「おしどり贈与(贈与税の配偶者控除)」を活用した具体的な節税プランをご提案させていただきました。

おしどり贈与とは、結婚して20年以上経つご夫婦の間で、住まいの不動産を贈与する際に利用できる税金の特例です。基礎控除110万円に加えて最高2,000万円まで控除が認められます。税理士の正確な計算のもと、この特例を使えば贈与税をまったく発生させることなく、ご自宅の名義をご主人から奥様へ変更できることを丁寧にご説明したところ、棚橋様はほっと胸をなでおろしていらっしゃいました。

さらに税理士からは、将来ご自宅を売却する時のことまでを見据えたアドバイスも行いました。将来、名義人となった奥様がご自宅を売却する際、「マイホーム特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)」を使える可能性があります。この特例が使えれば、売却で得た利益から最高3,000万円が差し引かれるため、将来の税金を大幅に減らすことができ、お手元に残るお金を最大化できます。

このように、司法書士と税理士がチームとなり、目先の手続きだけでなく将来の税金面でのメリットと安全性をはっきりとご提示できたことで、棚橋様は安心して生前贈与を選択し、手続きを進めるご決断をされました。

ステップ3:信託契約の締結と「信託口口座」による財産の確実な保全

方針が決まった後も、棚橋様には「手続きが難しかったり、時間がかかりすぎたりしないか」というご心配がありました。仮に家族信託を選んでいた場合、ご家族間での細かな話し合いや契約書の作成、公証役場での手続きなどが必要となり、完了までに数ヶ月かかることが一般的です。

しかし今回は、手続きが比較的シンプルな「生前贈与」を選んだことで、スムーズに進めることができました。私たちが窓口となり、戸籍謄本や評価証明書などの必要書類の収集、贈与契約書の作成、そして法務局への名義変更(所有権移転登記)の申請までをすべてまとめて代行いたしました。また、登記が完了した後の贈与税の申告手続きにつきましても、担当の税理士が責任をもって行いました。

その結果、最初のご相談から約2ヶ月という短期間で、全ての手続きを滞りなく終えることができました。ご高齢のご夫婦に役所や税務署へ何度も足を運んでいただくようなご負担をおかけすることなく、迅速かつ確実に安心できる体制を整えることができました。

3.サポートの結果とお客様の声

私たちのサポートにより、おしどり贈与の特例を適用し、贈与税の負担を発生させることなく、ご自宅の名義をご主人から棚橋様へと無事に変更することができました。名義が奥様へ移ったことで、将来的に発生するはずだったご主人からのお手続き(相続登記など)が不要となり、ご夫婦が元気なうちに財産の引き継ぎを完了させることができました

また、ご主人の今後のご体調や判断能力に左右されることなく、棚橋様ご自身の意思だけでいつでもご自宅を売却できる体制が整いました。

さらに、将来ご自宅を売却する時の「マイホーム特例」を利用する道筋も確保できたため、税金面でのメリットも十分に受けられる状態となっています。家族信託と比べてよりシンプルで効果的な生前贈与を選んだ結果、約2ヶ月という短期間ですべての課題を解決することができました。

手続きが完了した後、棚橋様から直接以下のようなお喜びの声を頂戴いたしました。

「最初は家族信託しかないと思い込んでいましたが、私たちの状況を丁寧に聞いて、もっと良い方法を提案してくださり本当に感謝しています。おかげさまで、将来の不安がなくなり、心から安心することができました。手続きもあっという間で、もっと早く相談すればよかったです」

    4.担当司法書士から

    代表社員 元木翼司法書士  元木翼

    ご相談当初、棚橋様はセミナーでお知りになった「家族信託」をご希望されていました。認知症による資産凍結対策として近年注目される家族信託ですが、決してどのようなケースにも効く万能薬ではありません。ご家族の状況や財産の内訳によっては、かえって費用や手続きの負担が重くなるケースも存在します。

    私たちの役割は、お客様からご指定いただいた手続きをただこなすことではなく、「最終的にどのような状態を実現したいのか」という本来のゴールを紐解くことです。本件の場合、ご夫婦の年齢や「将来的に自宅を売却したい」「手続きの負担を残したくない」というご意向を踏まえると、家族信託の枠組みを作るよりも、ご自宅そのものの名義を奥様へ移してしまう方が、法務的にも非常にシンプルでした

    しかし、単純に名義を変えるだけでは多額の税金が発生してしまいます。そこで、税理士と連携し、おしどり贈与(配偶者控除)や将来の売却を見据えたマイホーム特例を組み合わせることで、税務面の課題もクリアできると判断しました。

    ミラシアでは、家族信託ありきで話を進めることはいたしません。相続や生前贈与の実務経験、そして税理士との強固な連携体制があるからこそ、先入観にとらわれず複数の選択肢を比較検討することができます。今回、ご夫婦の「負担なく財産を引き継ぎ、将来スムーズに売却する」という本当の目的を、よりスピーディーで確実な形で実現できたことは、専門家として非常に意義深い実務経験となりました。

    手続きが終わった後、新しい権利証(登記識別情報)をお渡しした際の棚橋様のほっとされたご様子を拝見し、長年のご心配を取り除くお手伝いができたことを大変嬉しく思います。法的な準備がしっかりと整いましたので、これからは将来の財産管理に対するご不安を抱えることなく、お二人での穏やかな生活を楽しんでいただければと願っております。

    認知症による資産凍結のリスクや、相続・生前対策に関するご不安は、本当に多くの方が抱えていらっしゃいます。インターネット上の情報だけでご自身に合った解決策を見つけるのは簡単なことではありません。まずは私たちのような専門家へお気軽にご相談ください。お客様の状況を客観的かつ専門的な視点で分析し、ご家族にとって一番安心できる道筋を一緒に考えてまいります。

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    1. 専門家(国家資格者)による専任担当制
      経験豊富な専門家が専任担当として、業務完了までサポートいたします。
    2. 相続・遺言・家族信託 専門
      当法人は相続・遺言・家族信託専門の事務所です。お客様に最適な解決策をご提案いたします。
    3. 豊富な相談実績・ノウハウ
      1,000件を超える豊富な相談実績から蓄積されたノウハウで高難度な案件にも対応が可能です。
    4. 土日祝祭日や夜間(22時まで)の相談、出張相談も可能
      お仕事などでお忙しい方でも安心して相談頂けます。
    5. スピード対応
      お急ぎのお手続きでもスピーディー・丁寧に対応いたします。
    6. 全国対応
      関東圏に限らず日本全国の案件に対応可能です。

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    家族信託の取扱実績全927件※!司法書士法人ミラシア
    ※集計期間:2017年1月〜2025年12月