最適な家族信託セミナーの選び方と参加前後に必ず行うべき3つのこと

 家族信託を検討しているご家族にとって、書籍やwebサイトと並んで有益な情報収集ツールと言えるのが、「家族信託セミナー」に参加することです。家族信託の制度や事例に関して、実際に家族信託のサービスを提供している専門家などから話を聞くことで、書籍やwebサイトを読むよりも具体的なイメージを持つことができます。

 しかし、数ある家族信託のセミナーの中から自分や家族にとって最適なセミナーを選ぶのは容易ではありません。インターネットでいろいろと検索してみたけれど、なかなか参加するセミナーを決められなかったという声はよく耳にします。

 また、せっかく時間を取って家族信託セミナーに参加するのであれば、最大限そのメリットを享受したいものです。

 そこで、本コラムでは最適な家族信託セミナーの選び方を解説するとともに、家族信託セミナーで100回以上講師を務めた筆者だからこそ分かる、家族信託セミナーの参加メリットを最大化するための「セミナー参加前と参加後にすべき3つのこと」をお伝えします。

 皆様が家族信託を開始するための第一歩としてお役立てください。

 それでは、内容に入っていきましょう。

※なお、家族信託のことを「民事信託」と呼ぶこともありますが、両者はほぼ同義だと考えて差し支えありません。

1 最適な家族信託セミナーを選ぶ5つのポイント

 家族信託が急速に普及しつつある昨今、至る所で家族信託セミナーが開催されています。数ある家族信託セミナーの中からご家族にとって最適なものを見極めるには、どのようなポイントに注目すればよいのでしょうか。

 これまでの筆者の経験上、皆様にお伝えしたい重要なポイントは5つあります。

5つのポイント

ポイント① 実務経験が豊富な講師かどうか

ポイント② どのような会社が主催しているのか

ポイント③ セミナーの内容に実際の事例や他の制度との比較が含まれているかどうか

ポイント④ セミナーテキストや資料をもらえるかどうか

ポイント⑤ セミナー終了後に個別相談ができるかどうか

ポイント① 実務経験が豊富な講師かどうか

 家族信託は、成年後見制度や遺言に比べるとまたまだ新しい歴史が浅い制度です。セミナーの講師が必ずしも実務経験が豊富であるとは限りません。

 実務経験が少ない講師の場合、セミナー内容がどうしても家族信託の制度や法律などの抽象的なものとなりがちです。セミナーの醍醐味は、やはり講師の実体験に基づく事例の話を聞くことにあります。単に制度や法律の話であれば、書籍やWebサイトで事足りるかもしれません。

 したがって、参加する家族信託セミナーを選ぶ際は、講師の実務経験が豊富かどうかを必ずチェックしましょう。これまでに家族信託の組成件数50件以上」あれば経験豊富な講師と言えるでしょう。セミナーに参加する前に、講師のプロフィールやHPなどで実績を確認しておくとよいでしょう。

 なお、家族信託セミナーの講師として登壇している中で一番多いのは、「司法書士」です。司法書士は、自宅などの不動産を対象とした家族信託で必ず必要となる「信託登記」の専門家です。そのため、司法書士が家族信託の専門家として法律上決まっているわけではありませんが、司法書士が他の専門家に比べて家族信託の相談窓口となりやすいのです。

↓【参考】信託登記についてはこちらをご覧ください。↓

 他には、弁護士、行政書士、税理士などの士業、ファイナンシャルプランナー、生保営業マン、不動産営業マン、相続コンサルタントなどが講師を務めることがあります。

ポイント② どのような会社が主催しているのか

 参加する家族信託セミナーを決定する際は、主催している会社を確認することが大切です

 弁護士や司法書士などの専門家が講師として登壇するセミナーであっても、主催している会社はハウスメーカー、不動産会社、生命保険会社などの事業会社であることもよくあります。事業会社が主催者である場合、これらの会社の商品やサービスを宣伝・販売することが家族信託セミナーの主な目的ということになります。もちろん、だからといって家族信託セミナーの内容が悪いということにはなりません。また、家族信託セミナーによって集客をして、自社商品やサービスのセールスに繋げていくことに何ら問題はありません。しかし、「家族信託」そのものがセミナーの目的ではないということは事前に理解しておきましょう。

 したがって、どちらかと言えば弁護士や司法書士などの士業事務所が主催している家族信託セミナーの方がオススメと言えます。士業などの専門家にとっては、家族信託それ自体が自分たちの「サービス」ですから、セミナーの内容がより充実している可能性が高いと考えられます。

ポイント③ セミナーの内容に実際の事例や他の制度との比較が含まれているかどうか

 家族信託はなかなか理解するのが難しい制度です。法律上の制度説明や用語の定義などを聞いてもいまいちピンとこないのが普通です。理解を深めて具体的なイメージを持つためには、実際の事例をとおして理解することが大切です

 ポイント①でもお伝えしたように、セミナーの最大のメリットは、講師が実際にサポートした事例の話を聞けることです。事例をとおして、どんなご家族が、どのようなきっかけで、どのように家族信託を利用したのかを知ると、家族信託のイメージが一気に広がります。

 ですので、必ず事例の紹介が含まれている家族信託セミナーに参加するようにしましょう。セミナー告知のチラシやHPで分からなければ、主催者に問い合わせをしてみるとよいでしょう。

 また、家族信託と任意後見制度などの他の制度との比較が説明されるかどうかも重要な点です。家族信託の意義やメリットは、他の制度と比べてみることではじめて理解できます。家族信託だけの説明を聞いていても、その良さをあまり感じることはできません。

 よって、家族信託の解説だけでなく、他の制度との比較や相違点も内容に含まれているセミナーに参加するようにしましょう

ポイント④ セミナーテキストや資料をもらえるかどうか

 家族信託を理解するのは、一度セミナーを聞いただけではなかなか難しいのが普通です。委託者、受託者、受益者など普段耳にしない専門用語が登場しますし、仕組みも若干複雑です。

 そのため、ミナー終了後にしっかり復習することが大切です。その際、手元にセミナーテキストや資料がないと復習することができません。

 したがって、必ずセミナーテキストや資料がもらえる家族信託セミナーに参加しましょう。特に、新型コロナウイルス感染防止によって昨年から急増したオンラインセミナーでは、テキストや資料がデータで提供されない場合もあるようです。事前にしっかり確認しましょう。

ポイント⑤ セミナー終了後に個別相談ができるかどうか

 セミナーは基本的に講師の話を一方的に聞くだけですので、セミナーだけで全ての疑問点を解消することは難しいかもしれません。セミナー後の質疑応答の時間で質問ができる時間もあるかもしれませんが、他にも質問者がいれば自分に順番が回ってくるとは限りません。また、他の参加者の前で質問することは気が引けてしまうという方もいるでしょう。

 このため、セミナーが終了した後に講師やそのスタッフに個別相談ができる家族信託セミナーに参加するのがオススメです。個別相談はセミナー当日できるものもあれば、後日となる場合もあります。個別相談を上手く利用して、疑問点をクリアにしておきましょう。

2 家族信託セミナーに参加する「前」に行うべき3つのこと

 せっかく時間をとって家族信託セミナーに参加するのではあれば、そのメリットは最大限に享受したいものです。私はこれまで100回以上の家族信託セミナーに登壇してきましたが、やはり参加者の事前準備やレベルによってセミナーの効果は大きく変わってきます

 家族信託セミナーに参加する前に、今からお伝えする3つのことを行っていただくとセミナーがより有意義なものとなるでしょう。

参加前にすべきこと① 書籍やwebサイトなどで事前に家族信託について予習しておく  

 上述のように、はじめての方にとっては、家族信託をセミナーだけで完全に理解するのは至難の業です。家族信託は勉強していなければ専門家でも難しく感じるものです。限られた時間(60分~90分のセミナーが多い)の中で一般の方が理解するのは容易ではありません。

 ですから、書籍やWebサイトなので事前に少し「予習」をしておくと当日の理解がスムーズに進みます。制度の概要だけでも確認しておくと有益です。

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参加前にすべきこと② 他の家族(親、兄弟など)が一緒に参加できるかどうか確認する

 家族信託は、親の「認知症対策」として利用するのが典型例です。家族信託によって事前に親(委託者)が保有している財産の管理権限を子供(受託者)に移転しておくことによって、認知症による財産凍結を防止できます。家族信託は、委託者(親)と受託者(子供)が「信託契約」を締結することによって開始します

 したがって、どちらか一方だけが参加するよりも、「親子」両方で参加した方がその後の話が非常にスムーズとなります。よくあるケースは、親だけが家族信託セミナーに参加したが、その内容を上手く子供に伝えることができず家族信託を利用したくてもできないといったケースです。

 さらに、家族信託を開始する際は、実務上「家族全員の同意」を得た上で行うことが推奨されています。例えば、受託者に「長男」がなるのであれば、二男・長女など他の兄弟の同意も得ておくということです。同意を得ることは法律上必須というわけではありませんが、家族信託は事前に親の財産管理権限を特定の家族に移すものなので、相続発生時のトラブルなどを防ぐために同意を得た上で進めていくのが望ましいとされています。

参加前にすべきこと③ 財産の棚卸しをしておくこと

 上述のように、家族信託は親が認知症によって判断能力が低下した際の「財産凍結」を防止するために行うのが典型事例です。言い換えれば、家族信託によって親の財産が使えなくなってしまうという事態を避けるのです。

 そのため、家族信託セミナーに参加する前に、事前に財産の棚卸しをしておくことをオススメします。これによって、認知症による財産凍結から守るべき財産が明らかになるからです。自宅の登記名義は誰になっているのか、金融資産はどの金融機関にどのくらいあるのか、などできる限り把握しておくと安心です。

↓【参考】家族信託によって親の財産を守る方法についてはこちらをご覧ください。↓

3 家族信託セミナーに参加した「後」に行うべき3つのこと

 

 セミナーに参加しただけで終わってしまっては、効果が半減してしまいます。効果を最大限にするために、セミナーに参加した後に行うべきことを3つ皆様にお伝えします。是非実践してみてください。

参加後にすべきこと① セミナーの復習をする

 繰り返しになりますが、家族信託を一度で理解するのは簡単ではありません。できればその日のうちに、セミナーテキストや資料を見直しておくとよいでしょう。疑問点がでてきた場合には、後日講師に質問したり、個別相談を利用しましょう。

参加後にすべきこと② 家族会議を行う

 上記で述べたように、家族信託を開始するには家族全員の同意を得ることが推奨されています。

 したがって、家族信託を行うかどうか家族会議を行って家族全員で検討するとよいでしょう。個々に同意をとっていくよりは、できるなら家族全員一堂に会して話をした方がスムーズです。

 家族信託は、主に親の認知症対策として利用することになりますが、その前提として親の老後の「ライフプラン」について家族で共有しておく必要があります。終の棲家はどこにするのか、介護はどのように行っていくのかなど親や家族の希望や考えを伝えておくのです。

 仮に家族信託はやらないということになったとしても、一度家族会議を行いそれぞれの胸の内を明かしておくことは、今後にとって非常に有意義なものとなるでしょう

参加後にすべきこと③ 個別相談に申込む

 セミナーに参加することによって家族信託の概要や仕組みは理解することができますが、自分の家族で利用したときにどのような形で進んでいくのかは分かりづらいものです。

 そこで、オススメなのが専門家の個別相談に申込むことです。専門家に相談し具体的なアドバイスをもらうことで、今後のイメージを鮮明に持つことができます。専門家への個別相談は、「初回無料」としていることが多いので、気軽に利用してみましょう。セミナー講師に相談するのはもちろん、別途インターネットなどで探してみてもよいでしょう。

 個別相談をする際は、家族信託にかかる費用、家族信託を開始するまでの流れと期間を必ず確認しましょう。これらは専門家によって異なるため、依頼する前にしっかり確認しましょう。

↓【参考】家族信託にかかる費用についてはこちらをご覧ください。↓

4 セミナーに参加するよりも個別相談を利用した方が効果的なケースも

 

 家族信託の利用を検討している方にとって、家族信託セミナーに参加することは非常に有用です。

 しかし、セミナーはどちらかというと初心者向けのものが多いですから、家族信託の制度説明などの基本的なコンテンツが大半を占めます。最初の情報収集としては良いかもしれませんが、基礎的な部分が理解できている人にとっては物足りない内容かもしれません。

  よって、家族信託の制度や流れがある程度理解できている方であれば、家族信託セミナーではなく、最初から個別相談を利用した方が効果的といえます 

5 まとめ

 最後までお読みいただきありがとうございます。いかがでしょうか。本コラムが最適な家族信託セミナーを見つけるための一助となれば嬉しいです。

 それでは、本日のまとめです。

 

まとめ

● 最適な家族信託セミナーを選ぶ5つのポイント

ポイント① 実務経験が豊富な講師かどうか

ポイント② どのような会社が主催しているのか

ポイント③ セミナーの内容に実際の事例や他の制度との比較が含まれているかどうか

ポイント④ セミナーテキストや資料をもらえるかどうか

ポイント⑤ セミナー終了後に個別相談ができるかどうか

 ● セミナー参加前にすべき3つのこと

①書籍やwebサイトなどで事前に家族信託について予習しておく

②他の家族(親、兄弟など)が一緒に参加できるかどうか確認する

③財産の棚卸しをしておく

● セミナー参加後にすべき3つのこと

①セミナーの復習をする

②家族会議を行う

③個別相談を申込む

● セミナーではなく個別相談を利用した方がよいケースもある

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